CONCORD Academyは自分らしいキャリアを描くための“ガイドブック”。
運営会社のコンコードは、日本ヘッドハンター大賞初代MVPを受賞し、戦略コンサルや投資銀行、総合商社などへの豊富な転職支援実績を有しています。また、東京大学や一橋大学ではキャリアデザインの授業も開講してきました。
同社で長年培ったキャリア設計ノウハウも活かし、より良い人生を切り開くキャリアデザインの方法論を、学生の皆さんに伝えていきます。
総合商社を就職先として考える場合、仕事内容だけでなく、「どのくらいの収入を得られるのか」「海外駐在を含め、どのような生活を送ることになるのか」という面も気になるところでしょう。
実際のところ、給与は年次や役割などによって変わり、働き方も配属先や担当する地域、海外駐在の有無によって大きく異なります。
そこで今回は、5大商社の給与水準や日々の働き方、海外駐在について取り上げ、総合商社でのライフスタイルを具体的に見ていきます。
まずは、多くの人が気になる年収から見ていきましょう。
総合商社は、日本企業の中でも給与水準が高い業界として知られています。特に5大商社はその傾向が顕著で、2025年3月期の有価証券報告書などを見ると、平均年間給与はいずれも1,700万円を超えています。
| 企業名 | 平均年間給与 |
| 三菱商事 | 2,033万円 |
| 三井物産 | 1,996万円 |
| 伊藤忠商事 | 1,805万円 |
| 住友商事 | 1,744万円 |
| 丸紅 | 1,709万円 |
総合商社では、大型案件や海外事業を担うため、若手だとしても大きな責任を伴います。加えて、高い専門性や交渉力、多くの関係者を巻き込む推進力なども求められるのです 。給与水準の高さは、仕事において求められるレベルの高さを反映したものとも言えるでしょう。
なお、上記の平均年間給与は、あくまで「すべての社員」を対象にした値です。一般的な企業と同様、年次を重ねるにつれて給与も上がる傾向にあるため、若手社員の年収とは異なる点に注意してください。
それでは、新卒で入社した後、どのように年収が上がっていくのでしょうか。
以下、各社の公開情報などをもとに、年次ごとの大まかな年収水準を整理しました。なお、年次だけで一律に昇進・昇給するのではなく、担う役割や成果をより重視する企業も増えています。また、実際の年収には個人差もあるため、あくまで一つの目安としてご覧ください。
| 年次 | 年収水準の目安 | 働き方・役割のイメージ |
| 入社1〜3年目 | 650万〜950万円程度 | 研修やOJTを通じて、会計、物流、契約、与信管理、投資管理など、商社の仕事の基礎を学ぶ時期です。 |
| 入社4〜6年目 | 850万〜1,300万円程度 | 取引先対応や案件推進に深く関わり始める時期です。国内業務だけでなく、海外トレーニーや関係会社への出向を経験する人も出てきます。 |
| 入社7〜10年目 | 1,000万〜1,600万円程度 | 案件の中心メンバーとして、投資先の管理や海外駐在、事業会社の経営管理などに関わる機会が増えます。 |
| 入社11〜15年目 | 1,300万〜2,200万円程度 | チームの中核として、より大きな案件や部下育成、事業計画の策定、資金管理などを担うタイミングです。課長級候補や事業会社の経営人材候補として、本社や海外法人、関係会社をまたいだ経験を積む人もいます。 |
| 入社16年目以降 | 1,700万〜3,000万円超 | 管理職や部長級、海外拠点の責任者、事業会社の経営幹部候補として、大きな組織や事業を動かす立場になります。 |
年収の内訳は、大きく分けると「基本給」「賞与」「各種手当」の3つです。
総合商社では、基本給に加えて賞与の割合も大きく、会社の業績や個人の評価によって、同じ年次でも年収に差がつくことがあります。
また、海外駐在をする場合には、駐在手当や住居費、子どもの教育費などが会社から支給・補助されることもあります。こうした海外勤務ならではの待遇については、後ほど詳しく見ていきましょう。
総合商社の働き方は、配属される部門や担当する案件によって大きく異なります。
たとえば、資源やインフラなどの大型案件では、海外企業や政府機関、金融機関など、多くの関係者と調整しながら仕事を進めます。海外との取引では、時差の関係で早朝や夜に打ち合わせが入ることもあり、案件が重要な局面を迎えると業務が集中する場合もあるでしょう。
また、総合商社では会食や社外との付き合いも仕事の一部になることがあります。取引先や投資先、海外パートナー、社内の関係部署など、信頼関係を築く必要のある相手が多いためです。人と人との関係でビジネスを動かす場面が多い業界であることは押さえておきたいポイントです。
一方で、現在は各社とも働き方の見直しを進めています。伊藤忠商事では朝型フレックスタイムや在宅勤務を導入しているほか、三井物産も業務の状況に応じて働く場所や時間を選択できる環境を整えています。働き方は「総合商社だから」と一括りにせず、企業や部門ごとに見ていくことが大切です。
就職活動では、OB・OG訪問などを通じて、関心のある部門において普段どのようなスケジュールで働いているのか、繁忙期はいつなのかなどを聞いてみると、入社後の生活をイメージしやすくなるでしょう。
総合商社を志望する皆さんにとって、「何年目くらいで海外に行けるのか」「行きたい国を選べるのか」といった点は気になるのではないでしょうか。
5大商社では、若手のうちから海外経験を積ませる仕組みがあります。たとえば三菱商事や伊藤忠商事では、原則として入社8年目までに海外経験を積む方針を掲げています。実際には、若手向けの海外研修から始まる場合もあれば、数年間の駐在を任されるケースもあり、時期は部署や担当事業によって異なります。
赴任先については、自分の希望だけで決まるわけではありません。現地でどのような事業を行っているか、どのような人材が必要かを踏まえて決まるのが基本です。一方で、各社とも本人のキャリア希望を伝える面談や制度を設けているため、行きたい地域や携わりたい事業について希望を伝える機会はあります。
現地での仕事は、営業だけではなく、海外拠点で新規事業を開発したり、出資先の経営や事業運営に携わったり、現地政府や取引先との交渉を担当したりすることもあります。日本から海外案件を担当するのとは異なり、現地の関係者と直接向き合いながら事業を動かす経験ができる点は、海外駐在の大きな特徴です。
また、駐在中は住居などについて会社の支援を受けられるケースが多いほか、海外勤務に伴う手当が設けられることもあります。一方で、働き方や生活環境は国や担当業務によって大きく異なります。海外駐在に興味がある場合は、OB・OG訪問などで、赴任した年次や地域、仕事内容、現地での生活まで具体的に聞いておくとよいでしょう。
総合商社の働き方は、配属される部門や担当する地域、海外駐在の有無によって大きく変わります。企業研究では、給与水準だけでなく、自分がどのような働き方や生活を望むのかという視点も持っておくとよいでしょう。
次回は、総合商社について抱きやすい疑問をQ&A形式で整理します。選考で見られるポイントや英語力の必要性などを確認することで、総合商社で働くイメージをさらに具体化していきましょう。
CONCORD Academyは自分らしいキャリアを描くための“ガイドブック”。
運営会社のコンコードは、日本ヘッドハンター大賞初代MVPを受賞し、戦略コンサルや投資銀行、総合商社などへの豊富な転職支援実績を有しています。また、東京大学や一橋大学ではキャリアデザインの授業も開講してきました。
同社で長年培ったキャリア設計ノウハウも活かし、より良い人生を切り開くキャリアデザインの方法論を、学生の皆さんに伝えていきます。
新卒で三菱商事に入社し、自動車および食品事業の事業開発を担当。海外留学や現地での新会社設立支援などを経験。外資系戦略ファームのベイン・アンド・カンパニーを経て、コンコードに参画。コンサルのほか、総合商社に関する支援で豊富な実績がある。