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内定後にまず考えること|承諾・保留・入社先選びの基本
内定後の必読ガイド

第2回 内定後にまず考えること|承諾・保留・入社先選びの基本

第1回では、「内々定」と「内定」の違いを整理しました。それぞれの定義を踏まえたうえで、次は実際に企業から内々定や内定の連絡を受けた際、どのように対応すべきかを押さえておきましょう。

内々定や内定の獲得は嬉しいことですが、就活のゴールではありません。回答期限や入社条件を確認し、承諾するか他社の選考を続けるかを考える必要があります。また、複数の内定を得た場合には、自分なりの基準でどの企業を選ぶかを判断しなければならないのです。

そこで今回は、内々定や内定の連絡を受けた後に確認すべきことや、入社先を比較する際の判断軸について解説します。

なお、「内々定」でも「内定」と同様に扱うべきケースが多いため、これ以降の解説は「内定」という表記で統一します。

内定通知を受けた直後にすべきこと

企業へのお礼

内定の連絡を受けたら、まずは返答をし、感謝を丁寧に伝えましょう。採用担当者や面接官は、皆さんの選考のために多くの時間を使っています。入社する場合は、これからお世話になる方々への最初の挨拶になります。別の進路を選ぶ場合でも、社会人になってから取引先や仕事上の関係者として再び関わることがあるかもしれません。内定後のやり取りを、社会人としての第一歩と考えて対応することが大切です。

回答に関する確認

内定通知を受けた際に、まず重要になるのは、回答期限と回答方法です。いつまでに返事をする必要があるのか、どのような方法で意思表示をするのかを確認します。回答方法については、メールでの返信や採用マイページ上での回答、書類の郵送など企業によって異なるので気を付けましょう。

労働条件の確認

初任給や勤務時間、休日、福利厚生などは、募集要項や説明会を通じて把握しているかもしれません。一方で、配属予定の部署や勤務地、転勤の可能性などは、入社後の働き方や仕事内容に大きく関わるため、認識と齟齬がないかを確認しておくことが大切です。

もちろん、内定の時点ですべて確定しているとは限りません。それでも、入社後のギャップを防ぐために、気になる点があれば承諾前に確認しておきましょう。

他社選考が残っている場合

内定の連絡を受けた時点で、他社の選考が残っていることもあります。

その企業への入社を前向きに考えていたとしても、他社の選考結果を確認したうえで判断したい場合は、回答期限を延長できないか相談してみましょう。

企業側も、採用人数の枠を埋める必要があるため、必ず延長してもらえるとは限りません。しかし、早い段階で事情と回答予定日を伝えることで、その後の採用予定を調整しやすくなります。

相談する際のポイントとして、まずは内定への感謝を改めてお伝えします。次に、前向きに考えていることを述べた上で、「自身の今後のキャリアに関わる大切な判断であるため、最後まで慎重に検討したい」など、延長を希望する理由を説明しましょう。さらに、「○月○日まで」というような形で、いつまでに回答できるかについても伝えられるとよいです。

このとき、「第一志望ではないので待ってほしい」といった後ろ向きな言い方は避け、内定承諾に前向きな態度を見せたほうがよいでしょう。内定を出してくださった企業への感謝の気持ちと敬意を持ちながら、自分のキャリアを真剣に考えたいという姿勢を伝えることが大切です。

複数企業を比較する4つの判断軸

複数の企業から内定を得た場合、「どの企業を選ぶべきか」と悩む人は少なくありません。選考を進める中で各社の魅力を理解し、また社員の方にも親切に対応して頂いていると、簡単には決められないでしょう。

その際に大切なのは、「有名な会社」や「周囲から高く評価される会社」をそのまま選ぶことではもちろんありません。CONCORD Academyを読んでいる皆さんであればご存知の通り、知名度や人気は、企業を知るきっかけにはなりますが、自分に合っているかを判断する基準ではないためです。

そこで、企業選びで迷った際には、次の4つの観点から比較することをおすすめします。

1. やりたい仕事ができそうか

まず重要なのは、その会社の仕事を、やりがいをもって楽しめそうかという点です。

社会人になると、一般的には1日の大半の時間を仕事に注ぐことになり、その期間は40年以上にも及びます。仮に、企業のブランドに惹かれたとしても、日々の仕事を楽しめなければ、入社後に辛くなってしまうでしょう。

やりたい仕事を見つけるのに重要なのは、就活の初期に行う「自己分析」です。CONCORD Academyでは、東京大学や一橋大学のキャリアデザインの授業でも紹介している「好き・嫌い分析」をおすすめしています。自分が「好きなこと」であれば、仕事が長時間でも楽しく続けられるでしょう。また「嫌いなこと(=避けるべきこと)」が分かっていれば、大きなストレスのかかる仕事や職場を避けられます。

就職先を選ぶこのタイミングで、改めて自分の「好き・嫌い」と向き合ってみましょう。「その仕事を数年間続けても、前向きに取り組めそうか」「企業のブランドに惹かれるあまり、自分にとって本来避けるべき仕事や職場を選んでいないか」などを、具体的に想像することが大切です。

「好き・嫌い分析」について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

2. 目指す将来に向けて、必要なスキルや経験を得られるか

次に考えたいのは、その会社でどのような経験やスキルを得られるかです。

新卒での就職先は、将来のキャリアの土台になります。仕事の進め方や専門知識、顧客との向き合い方などを若いうちから身につけられると、キャリアの選択肢が広がるでしょう。

その際、単に「成長できそうか」という観点だけではなく、「培われるスキルや経験が、将来のキャリアにどうつながるか」まで考えてみてください。

CONCORD Academyでは「キャリアの階段」という考え方を提唱しています。将来の目標がある時に、いきなりチャレンジするのではなく、必要な経験やスキルを得られる「中継地点となるキャリア」をいかに設けるかが重要なのです。

たとえば、PEファンドでのキャリアに関心があるとしましょう。しかしながら新卒を採用する企業はほとんどなく、中途採用での入社を考える必要があります。また中途採用においては、企業への投資や経営支援に関する即戦力性が求められます。そのため、新卒で一般的な営業職やエンジニア職に就いた場合、次のステップでPEファンドに転職することは難しいでしょう。、

一方、投資銀行で企業買収に関する経験を積んだ方や、戦略コンサルで経営課題を解決してきた方であれば、PEファンドへの転身が可能になります。このように、将来の目標を達成するために必要な経験から逆算して就職先を考えるのが、「キャリアの階段」という考え方です。

なお、将来は違う仕事に就きたいと考えていたとしても、まずは就職先で成果を出すことが大前提です。入社後は目の前の仕事に打ち込み、会社や顧客のためにしっかりと貢献しましょう。

3. どんな人と働くのか

誰と一緒に働くのかという観点も、入社先を選ぶうえで重要です。

会社によって、社風や人の雰囲気は大きく異なります。たとえば、一般的にベンチャー・スタートアップ企業では、率直に意見を言い合うことが多く、大手企業の場合は丁寧な合意形成を重視する傾向があります。また、若手にどの程度の裁量を持たせるかも、会社によって違いが大きいです。

「どちらが正しいか」ということではなく、各社の文化にそれぞれの良さがあります。重視すべきは「自分はどのような環境で力を発揮しやすいか」という点です。仮に自分の性格に合わない環境を選んでしまうと、仕事内容にやりがいがあっても、日々の仕事に取り組みにくくなるかもしれません。

そのため、OB・OG訪問や社員面談を振り返って、「この人たちと一緒に働きたいと思えるか」「この環境なら自分の良さを発揮できそうか」を考えてみましょう。

4. 望むライフスタイルに近づけるか

働き方や生活との相性も、入社先を選ぶうえで欠かせません。

勤務地や転勤の有無、勤務時間や休日の取りやすさ、リモートワークの可否、海外赴任の可能性などは、日々の生活に大きく影響します。将来的に、育児や介護などのライフイベントを迎えることもあるでしょう。

ただし、短期的な働きやすさだけで判断するのは注意が必要です。たとえば、勤務時間や勤務地だけを見ると魅力的に見える会社でも、数年後に十分な経験や専門性が身についていなければ、将来の選択肢が狭くなってしまう可能性があります。

働き方を比べるときは、「今の暮らしやすさ」と「将来の選びやすさ」の両方を見てみましょう。若いうちに専門性や他社でも活かせるスキルを身につけておくと、転職市場で評価されやすくなり、働く場所や職種を見直したいときの選択肢が増えます。つまり、「キャリアの自由度」が高まるのです。そうなれば、家族の転居、育児、介護などで生活の条件が変わった場合にも、自分に合う働き方を選び直しやすくなるでしょう。

一方で、将来のためだからといって、心身に無理のある環境を選ぶ必要はありません。勤務時間や勤務地と、身につく経験・スキルを並べ、「今の自分にも、数年後の自分にも納得できそうか」という視点で考えてみてください。

まとめ

今回は、内定を受けた後にすべきこと、他社選考が残っている場合の保留相談、内定先が複数ある場合の比較方法について解説しました。

内定を獲得しても油断をせず、承諾期限や配属・勤務地など、確認すべき点を見落とさないことが大切です。また、複数の企業で迷う場合には、知名度や周囲の評価だけでなく、仕事内容や将来のキャリアとのつながり、働く環境について整理してみましょう。

内定先の選択に、誰にとっても共通する正解はありません。ぜひ、自分の価値観や目指したい方向と向き合いながら、納得できる一社を選んでいただければと思います。

次回は、内定辞退の伝え方や注意すべきポイントについて解説します。